スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[アニメ] 超訳百人一首 うた恋い。第8話 感想



 8話の内容は「末の松山 清原元輔」「実方と諾子 藤原実方朝臣」です。

 末の松山は清少納言の少女時代のお話。兄の致信と、末の松山と呼ばれたその恋人のお話です。
 将来を誓い合った彼女と遠距離恋愛になっちゃって、迎えに行けないまま二年たったら彼女は他の男と結婚しちゃったよ! という、それだけの話なんですが……。
 これがまたじんわりと切ないイイお話になってるんですよ!!

 んもーっ、清少納言のお父さんがステキすぎるっ! べらぼうカッコイイ!!! こんな人が見守ってくれていたら何があってもまっとうに生きていけそうな気がするっ!!! 清少納言がファザコンになるのも致し方ない……っ!

 ホントにホントに、良いパパ上様です。
 お父様のセリフはいっさいがっさい名言なのですが、特に好きなのが

「約束なりなんなり、“これは絶対に守る”という戒めがあってこそ、人はまっすぐ、一生懸命に生きられもする」

「責めるくらいのことはしてやりなさい。平気なそぶりを見せて“つまらぬ男に遊ばれたものよ”と思わせてやるな」

 ですね!

 前者は清少納言が「将来のことなんて誰にもわからないから、私ならそんな約束は信じないし、自分からもしない」と言ったことに対する返答。
 「人を信じなければ傷つくことはないが、その代わり喜びもない」という内容までなら、結構よくある説教だと思うんです。でもそれにこの「約束なりなんなり~」が加わることで、すっごく深みのある言葉になったと思うんですね。
 これがあってこそ、「そうかもしれない。人を信じるっていうのは大事なことだなぁ」と素直に思えるんですよ、私は。

 で、後者の「責めるくらいのことは~」は、致信が「彼女を二年も放っておいたのは自分。だから彼女を責められない」と言ったことに対する言葉。
 いやー、ホントにねー。「愛が冷めたわけじゃないのなら、なんで二年も放っておいたん?」と思うんですけど、当時はそんなに気軽にあちこち行けないだろうし、裕福な家の彼女を迎えるには頑張って出世しなきゃいけなかっただろうし、もちろんケータイもないので、二年なんてあっという間にたっちゃうのかもしれません。
 で、私なんかは「自分の非もちゃんとわかってるんだなー。感心じゃのう」っていうところで終わっちゃうんですけど、さすがパパンは格が違った!

 「責めるくらいのことはしてやりなさい」

 目から鱗です。
 そうか、相手を思うからこそ責めなきゃいけないときっていうのもあるんだね。
 「あのとき自分たちの愛は本物だった」「今も末の松山を愛している」そう伝えることで、この先何があっても思い出は美しくなるんだね。
 もちろん悲しみは覆い被さる。でも、末の松山は「遊ばれて二年も放っておかれた」とは思わない。「何か事情があって二年たったけれど、彼は本当に愛してくれていた」と思えるようになるんだね。

 ラストの末の松山の涙が素晴らしい。
 特にセリフないのに、あの涙だけで色んなことが伝わってくる。
 じーんと来た!

 なのに定家がっ! どんだけ余韻をクラッシュするんですかww いいかげんにしる!
 冒頭でも思ったけど、なんで新聞配達してるんだろう?? 前回は道路工事だったし、平安中期にはバイト代を稼がなきゃいけないわけでもあるのか?
 ……まぁいいですよ。次の「実方と諾子」では一気に何年も飛ぶからね。清少納言が大人になるから、空気を変える意味で余韻クラッシャーは必要かもしれない。
 スカイツリーの着ぐるみ着てたときよりネタとしてはマシだからもういいよ……っ!!

 さて後編。

 藤原実方の声は子安武人さんです。これまた私でも名前知ってる有名声優さんだなぁ。
 色気たっぷり。いーいお声!!! ヤメテー! うっとりしちゃうっ!!
 クラクラしながら、実方にぴったりの声だなぁと思いました。

 諾子……清少納言の声の方は巷で賛否両論みたいですけど、私はアリじゃない? と思います。
 だってうた恋いの清少納言は結構可愛いし、うた変だと行成を殴りまくってるアグレッシブちゃんだし、時々生意気っぽくなるところも、あんまり落ち着きはらった声でやられると嫌みになっちゃうんじゃないかなー? と思うので。

 さてさて、このお話の内容は、清少納言がその才能を周囲に好意的に見てもらえなかったとき、唯一才能ごと愛してくれた色男、藤原実方と末永くラブラブに……なるのかと思いきや、清少納言に宮仕えの誘いがかかったのをきっかけに、二人はすれ違い、別れてしまう。……悲恋です。またもや悲恋です。これからずーっと悲恋です!

 これがまた切ないお話でして……。

 清少納言は時々才走って男をやり込めてしまう自分を反省している。
 でも「その利発さがイイ」と言ってくれる実方に出会い、ようやく理解者を得たと喜ぶ。
 ところが宮仕えの話をきっかけに二人の中はぎくしゃくとする。
 宮中には教養ある人間がたくさんいる。
 実方は自分よりも清少納言の方が才気があると感じている。(たぶんこれは実際にそう)
 清少納言が宮仕えをし始めると彼女の目に自分はつまらなく映るのではないかと思う。
 「私はそれだけ彼女の才能を愛し、そしてもてあましている」

 ……ここまではまだなんとかなったんじゃないかと思うんですよ。
 恐れとか嫉妬とか、人間なら誰しも持つ気持ちですからね。

 でも清少納言は実方の気持ちをなんとなく察しちゃうんですね。
 どこまで悟ったかはわからないけど、少なくとも実方が宮仕えにネガティブな気持ちを持ったのは悟ったはず。そこから今までの経験も交え、色々考えたのかもしれない。
 あるいは――実方の気持ちをすべて見透かしてしまったのかもしれない。
 そして、清少納言は実方に遠慮してしまいます。

「やっぱりやめておくわ。私言うほど頭良くないし、理解者はあなただけでいいと思ってるもの」

 このあと原作では「諾子は人を立てることを知らないわけではない、大事に思う人のため愚かに振るまうこともできる。しかしね、私はそんな君が見たいわけではない」っていう実方のモノローグがあるんですけど、アニメではありませんでしたね。
 でも絶対、これが決定的な二人の分かれ目だったんですよ……。

 普通に考えて、一緒にいる相手が常に遠慮して身を引いてるって嫌じゃないですか。しかもその遠慮は“嫌われないように”と思ってのこととか……。
 そんなの、“そう思わせてしまう自分”が何より情けないじゃないですか。
 でも二人の間に明確な何かがあってそうなったわけじゃない。向こうがこっちの気持ちを“察して”そうなったわけです。……そんなもんどうやって覆すんですか。
 言葉を尽くすでもなく、体を重ねるでもなく。
 清少納言に宮中を見せて彼女の選択を待つしか、二人がフェアになる機会はもうなかったのではないか。

 で、その間に清少納言は「捨てられた」って思っちゃうわけですけれども……。
 ああっ、切ない。静かに身を引く実方が切ないよ……っ!

 でも清少納言の利発さを何より愛する実方は、“広い世界では彼女の一番(の理解者)にはなれない”と悟りながらも、今までの男たちのように彼女の才能を押し込める人間にだけはなりたくなかったのではないか。
 だから自分の手を離れてしまっても、彼女が幸せそうならそれでいい、それがいい。
 自分が一番愛した利発さを遺憾なく発揮している彼女――。胸中で愛しさをくすぶらせながらも、彼女の成功を願っている。

 プレイボーイと言われる実方、うた変ではそのプレイボーイっぷりも披露していますが、そんな彼の心の中で、清少納言は特別な位置を占めたのではないでしょうか。

 はぁ……。
 今回は声の良さも相まって、切なさ乱れ打ちの回でした。

 次回は行成かー。朴念仁っぷりに期待しようw


関連記事

コメント

コメントの投稿

非公開コメント


人気記事

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。