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[小説] スキップ(北村薫)感想



 これは私が選んだのではなく、他人に薦められて読んだ本です。受け取るまでどんな内容なのかまったく知りませんでした。

 簡単に言うと、昭和40年代初めに高校二年生(17歳)だった少女が突然25年後の自分にタイムスリップ(?)する話です。
 客観的に見れば42歳の主人公が突然17歳より後の記憶を失います。ただ作中では実際なんだったのか、というのはわかりません。
 主観的に見れば、17歳の自分が42歳の自分の中にタイムスリップしたのです。42歳だった自分がどこに行ったのかはわかりません。

 また入れ替わりものかよーっ! この前、東野圭吾の『秘密』を読んだばっかりなんだよーっ!

 そう思いましたが、他人に入るのと自分に入るのじゃ、ちょっと種類が違いますね。
 それに今回は主人公が17歳の少女。その一人称なので大分さわやかな感じになっています。読みやすいです。

 心は昭和40年代の主人公ですので、当時の常識で物事を見てくれます。私は残念ながら、世代が違いますが、主人公と青春時代が重なる方にはたまらん小説だと思います。
 世代が違う人間にとっても、「へー、当時はそうだったんだ」と思えて面白いです。

 そして主人公が結構カッコイイ。カッコイイとは言ってもボーイッシュなかっこよさではありません。芯が強い。見ていて苦になりません。
 まぁ時々「できすぎじゃないか?」と思ったりもしますが、卑小な私のひがみです!(笑)

 ただ、途中違和感があったのは、家族がいい人すぎる、ということ。
 主人公を一度も病院に連れて行こうとしない。
 普通なら止めるだろう、という主人公の行動をむしろサポートする。(後に理由の説明あり)
 うーん、まぁね、腫れ物扱いで病院にも連れて行けなかったのかもしれません。そうじゃなくても色々理由は考えられると思う。
 でも私は高校生の娘が母親(主人公)の異変をすんなり抱き留めたのを見て、ものすごい違和感がありましたね。そこでしばらく読み進める手が止まりました。

 それ以外は気になるところもなく、とてもいいお話でした。
 ラストらへんは「そうだよね! そうじゃなきゃ!」と思いました。

 それにしても、作者は女性じゃないんですね。表紙の見返しに写真が載っていたので読む前から知っていましたが、少し驚きました。
 作者には女性というものがどう見えているんだろう?

 そう思うのは、私が東野圭吾さんの『秘密』を読んでヒロインに憤慨したからです。同じ男性作家さんなのになぁ。
 でも『秘密』の方は男性一人称。ヒロインの気持ちは明言されていないのでわかりません。一概に比べられるものでもありませんね。

 ただあまり間を開けずに二つの小説を読んだので、「男性作家の女性の描写」というものにちょっと興味がわいたのです。
 好意的なのか批判的なのか、ファンタジーなのかリアリティなのか、男性作家さんはどのへんで折り合いをつけるんでしょう?

 まぁとにかく、北村薫さんは、女性に人気のある女性を書くのが上手い作家さんなんだろうなぁと思いました。


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